貧血の原因は主に3つあり、出血多量によるもの、赤血球の生産不足、赤血球の過剰な分解なのです。この内もっとも多い貧血の原因は赤血球の生産不足です、この原因は鉄分の摂取不足により起こります。これが鉄欠乏性貧血です、これ以外に葉酸欠乏性貧血、ビタミンB12欠乏性貧血があります。
鉄、葉酸、ビタミンB12は赤血球を作るための、材料となる栄養素ですので、これらが不足すると赤血球が作れずに貧血になるのです。またタンパク質も不足すると貧血になります。
貧血は体質的に女性の方が多く、貧血になりやすいタイプは生理の始まった16歳から20歳の女性、月経で大量の出血をする女性、ダイエットで食事制限している女性または偏食しがちな人です。
貧血の主な症状は疲れがなかなか取れない、動悸や息切れがする、顔色が悪く唇が蒼白い、食欲がない、吐き気がする、微熱が続く、頭痛がするなどです、貧血は自覚症状があまり出ないので、これらの症状が出たらまず貧血を疑ってみてください。
貧血の方には、足がムズムズして眠れなくなる、「むずむず脚症候群」になる人がいますので、注意してください。
貧血の対策としては貧血の原因が幾つかありますので、まず検査で貧血の原因を調べる事がポイントになります。
漢方薬は、自分の証に合ったものをお選び下さい。
「証」とは体力、体質、症状などから患者さんの状態を総合的に観察した診断結果のことです。
- 実証は生理機能が高まった状態を意味して、外見は健康そうに見えます。
- 虚証は体力がなく、生理機能が衰え、抵抗力も低下した状態を意味します。
- 中間証は実証または虚証のどちらも偏らず、それぞれの特徴を半分ずつもつ場合を意味します。
「証」の判定は証の自己判定テストご利用ください。
虚証
- 加味帰脾湯(かみきひとう)
血行のよくない人の貧血や再生不良性貧血、不眠症、神経症に用いられます。不安、微熱、寝汗、食欲不振などがある場合に効果的です。
- 帰脾湯(きひとう)
顔色のよくない人の貧血や再生不良性貧血、不眠症、神経症などにも用いられます。不安やうつな気分、息切れ、寝汗、倦怠感、食欲不振などがある場合に効果的です。
- 四君子湯(しくんしとう)
貧血のほか、慢性胃炎、胃腸虚弱に用いられます。やせて顔色が青白く、冷えや食欲不振がある場合に効果的です。
- 十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)
病後、術後、産後、あるいは慢性疾患で体力が衰弱した人の貧血、疲労、食欲不振、手足の冷えなどに用いられます。疲れやすい、顔色が青白い、寝汗などがある場合に有効です。
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
女性の貧血、更年期障害、月経不順などに用いられます。足腰の冷え、疲労、血行不良、下腹部痛、頭痛、肩こりなどがある場含に効果的です。
- 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
胃腸機能の低下している人の貧血、低血圧症などに用いられます。疲労倦怠、食欲不振、寝汗、寒けなどがある場合に有効です。
- 六君子湯(りっくんしとう)
胃腸が弱い人の貧血、つわり、胃炎などに用いられます。食欲不振、みぞおちのつかえ感、食後に眠くなる、手足が冷えやすいなどがある場合に有効です。