-消風散(しょうふうさん)-


消風散(しょうふうさん)の効能

体力中等度以上で、頑固な皮膚病で、分泌物があり、地肌に赤味があって痒みが強く、夏の熱い日などに悪化しやすい人に用います。皮膚のかゆみ、じんましんなどに応用します。湿疹、じんましん、皮膚そう痒症など皮膚疾患に用いられます。長年にわたって治らない湿疹で、患部のかゆみが強く、気候が暖かくなると悪化するなどの特徴があるときに効果があります。


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適応される主な症状

  • 皮膚のかゆみ
  • じんましん
  • アトピー性皮膚炎

配合生薬

配合生薬の効能

当帰(とうき)

婦人病の妙薬として、漢方でひんぱんに処方される重要生薬の一つです。漢方では古来、駆お血(血流停滞の改善)、強壮、鎮痛、鎮静薬として、貧血、腰痛、身体疼痛、生理痛生理不順、その他更年期障害に適用されています。

茎葉の乾燥品は、ひびやしもやけ、肌荒れなどに薬湯料として利用されています。鎮静作用はリグスチライド、ブチリデンフタライド、セダン酸ラクトン、サフロールなどの精油成分によります。また有効成分アセチレン系のファルカリンジオールに鎮痛作用があります。

駆お血効果を裏付ける成分として、血液凝固阻害作用を示すアデノシンが豊富に含まれています。また、アラビノガラクタンなどの多糖体に免疫活性作用や抗腫瘍作用が認められ、抗ガン剤としての期待も、もたれています。

地黄(じおう)

地黄は漢方治療で、糖尿病に用いられる処方の一つ八味地黄丸(はちみじおうがん)の主構成生薬です。地黄にはその調製法により鮮地黄(せんじおう)、乾地黄(かんじおう)、熟地黄(じゆくじおう)があります。

乾地黄には熱を冷ます作用と血糖降下作用がありますが、虚弱体質の方には不向きです。乾地黄の血糖降下作用はイリドイド配糖体のレーマンノサイド類によるものです、その他、乾地黄エキスには血圧を下げる作用が認められています。

鮮地黄には止血や通経作用があり、熟地黄エキスには血液増加作用や強壮効果があります。

石膏(せっこう)

石膏には、解熱作用 消炎作用 止渇作用 鎮静、鎮痙作用、抗アレルギー作用、収斂作用(組織を引き締め作用)があります。漢方では、利尿、激しい喉の渇き、体全体の熱さましを目標に処方されます。

成分は、主に含水硫酸カルシウム、微量に二酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化鉄があります。

防風(ぼうふう)

防風には、発汗、解熱、鎮痛、鎮痙作用があります。 漢方薬で、皮膚疾患薬、消炎俳膿薬、鎮痛薬とみなされる処方に配合され、発汗、解熱、鎮痙などを目標に、感冒による関節痛や頭痛などに使用します。

有効成分は、クマリンやクロモン誘導体、サポシニコバンA~Cなどです。

クマリンには抗ヒスタミン作用やカルシウム拮抗作用、血液凝集抑制作用、発がん抑制作用があり、防風エキスでは、ラットの実験で関節炎を抑制する作用が確認されています。

蒼朮(そうじゅつ)

朮は体内の水分代謝を正常に保つ作用があり、健胃利尿剤として利用されています。特に胃弱体質の人の下痢によく効き、胃アトニーや慢性胃腸病で、腹が張るとか、冷えによる腹痛を起こした場合などにもいいです。

日本では調製法の違いによって白朮(びやくじゅつ)と蒼朮(そうじゅつ)に分けられます。いずれも同じような効能を示しますが、蒼朮は胃に力のある人の胃腸薬として使い分けられています。

両者の主成分は、精油成分のアトラクチロンと、アトラクチロジンです。ちなみに、白朮には止汗作用があるのに対して、蒼朮は発汗作用を示します。朮は漢方治療では、多くの処方に広く利用される生薬の一つです。

牛蒡子(ごぼうし)

牛蒡子には解毒、消炎、排膿の作用があります。漢方では上気道の炎症、湿潤してひどく痒い皮膚疾患などの処方に配合されています。

牛蒡子の成分は、配糖体アークチンや脂肪油などが含まれています。

民間療法では婦人の血の道、経水の滞り、母乳の促進などにも使われました。また、ほかの根菜にくらべて繊維が多いいので、便秘によく、血糖降下もあることが知られています。

木通(もくつう)

木通の成分は配糖体のアケビン、サポニン、多量のカリ塩などが含まれており、尿の出をよくしてむくみをとります、また血行改善、排膿、通経などに使われてきました。

漢方処方では、冷え症、腰痛、生理不順、子宮内膜炎、膀胱炎などに使用、脚気にも尿を増やす目的で与え、妊婦の浮腫にも用います。

苦参(くじん)

苦参のものすごく苦い成分はアルカロイドのマトリン、オキシマトリン、配糖体のトリフロリジリンなどによります。これらの成分は大脳や神経を麻痺させる作用があるので、苦参は有毒植物に数えられますが、触るぐらいでは支障がありません。苦参(クララ)が生花の花材にも利用されるのは、そのためです。

漢方では苦味健胃薬や消炎止瀉薬、寄生性皮膚疾患などの外用薬として使用されています。

苦参の効能を『名医別録』ではもっぱら内臓を丈夫にして、食欲を出す働きがあると記しています。健胃強壮薬として苦参秦皮湯(くじんしんぴとう)があり、中国の報告例では細菌性赤痢にも効果があったといいます。

荊芥(けいがい)

荊芥には、発汗・解熱作用、消炎作用、止血作があります。単独で使うことは稀で、いろんな漢方製剤に配合されます。適応症状は、感冒や頭痛、鼻炎、扁桃炎、中耳炎、湿疹、慢性皮膚炎、アトピー性皮膚炎などで広く用いられています。

荊芥の場合は他の生薬との配合によって、全体としての薬効を高める生薬といえます。有効成分は精油のメントン、リモネン、プレゴンなどやフラボノイド類も検出されています。

中国では、カゼで熱があり喉が痛いとき、剤芥を煎じて飲む民間療法が普及しています。

知母(ちも)

知母は解熱、消炎、利尿薬として用いられる他、糖尿病治療薬としても効果があります。

サポニン成分チモサポニン類に血糖降下作用が認められています。水性エキスには、消化性潰瘍形成抑制作用やホスホジエステラーゼ阻害活性(中性脂肪の分解を促進するサイクリックAMPを増やす作用)があります。

その他の成分として、キサントン配糖体のマンギフェリンや、ニコチン酸、パントテン酸などを含みます。


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漢方薬の使用上の注意

漢方薬の副作用


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