-性器ヘルペスの再発減らす抑制療法-


性器ヘルペスの再発減らす抑制療法

性器ヘルペスの症状

性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスによる性感染症です。母子感染することもあります。1年間に治療を受ける患者数は7万8000人で、女性が男性の2倍多です。

女性は外陰部、男性は陰茎、両者で肛門(こうもん)周辺に直径2ミリほどの水ぶくれや、それらが破れて融合した潰瘍(かいよう)ができ、痛みも伴います。

抗ウイルス薬の服用により、1、2週間で症状は消えますが、ウイルスは消滅せずに骨盤内などの神経節に潜伏します。ストレスや風邪で免疫状態が下がった時や、女性なら排卵後や性行為で外陰部に摩擦を受けた時に、潜伏していたウイルスが増殖して再発します。


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性器ヘルペスの再発

一般的に、感染後初めての発病時は痛みが激しく、発熱を伴うこともありますが、再発時は発熱することは少なく、比較的症状が軽いです。

この再発が、患者を非常に苦しめます。慈恵医大青戸病院皮膚科教授の本田まりこ医師によりますと、いつ発病するか分からず、外出するのが怖くなったり、パートナーにうつしてしまうのではないかと恐れたりと、一生、重荷に感じ、結婚できずにいる患者さんもいるといいます。

性器ヘルペスの抑制療法

これまでは発病するごとに抗ウイルス薬を服用しなくてはなりませでしたが、2006年9月、再発を抑制する治療法が保険で認められました。すでに世界50か国以上で行われていた、標準的な治療です。

症状がなくても抗ウイルス薬・バルトレックス(一般名・塩酸バラシクロビル)500ミリ・グラム錠1錠の服用を毎日続けます。抗ウイルス薬は単純ヘルペスウイルスの増殖を抑えます。

この治療を受けると、再発までの間隔が、薬効のないニセ薬で約1か月に1度なのに比べ、203日に1度と頻度が減りました。再発しても、痛みなどの症状は軽く、症状が現れる期間も半減して1~4日で治るといいます。

性器から排出されるウイルス量も減少するので、パートナーに感染させる危険性は低くなります。ただし、感染率はゼロになるわけではありません。この治療は保険で認められているので、全国の医療機関の皮膚科、産婦人科、泌尿器科などで受けられます。

本田さんは「この病気にかかっても、不妊になることはないので、あまり深刻に考えないで、できれば、パートナーと一緒に治療を受けてほしい」と話しています。  

性器ヘルペスの予防と検査

性器ヘルペスは女性ではクラミジアに次いで、多い性感染症です。男性はクラミジア、淋病(りんびょう)に次ぎます。

潜伏期間は2~10日です。発病のピークは女性が25~29歳、男性は30歳代です。日本性教育協会の昨年の調査によると、高校生の性交渉経験率は女性が30%(1999年時24%)、男性が27%(同27%)です。

性体験の若年化で、とりわけ10歳代の女性患者が増えています。コンドームには、パートナーへの感染予防効果はある程度ありますが、ウイルスは、肛門周辺などの粘膜からも排出されるので効果に限界があります。

性器ヘルペスの検査法は、水ぶくれや潰瘍などの特有の症状や病状の経過などにより診断は容易にできます。確定診断には、患部の細胞を取ってウイルス感染の有無を顕微鏡で調べる検査が、皮膚科や泌尿器科などで受けられます。


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関係医療機関

慈恵医大青戸病院皮膚科


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女性・婦人科/健康

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