-重度の火傷などに人工皮膚-


重度の火傷などに人工皮膚

皮膚組織と治療法

皮膚は表面から表皮、真皮、皮下組織の三層構造になっています。皮膚表面が傷ついた場合、表皮に近い組織を尻や腹などの正常な部分から移植します。

しかし重い火傷や傷によって、皮下組織まで傷つくと、表面の移植では、厚みがなくなって傷ついた部分に不自然な段差ができたり、へこんでしまったりします。また皮膚をつまんだ時に、皮膚全体が伸びるような柔軟さも取り戻せません。


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人工皮膚

このような重度の皮膚の損傷には、「人工皮膚」を使用します、主成分はコラーゲンです。厚さ約3ミリのスポンジ状で、牛や豚の真皮や腱を材料に、拒絶反応が少ないように作られています。

重い火傷や事故などによる皮膚の損傷、皮膚がんなどの腫瘍の切除後、唇や上あごがくっつかないで生まれてくる口唇・口蓋烈(こうしん・こうがいれつ)などに使われます。保険は適用されます。

皮膚は5、6倍に伸びるため、全身の30%程度までの火傷なら、自分の皮膚に移植だけで治すことができます。しかし、それ以上の火傷では感染症を起こしやすく、治りも遅くなるため、人工皮膚が使用されます。

使い方は、傷口をきれいにして、不要な組織を切除した上で、人工皮膚を糸などで張り付け縫い合わせます。後はガーゼなどをあてて、軽く圧迫し固定します。手術から一週間程度で、皮下組織から新たな毛細血管や細胞の元になる線維芽細胞が人工皮膚のスポンジの中に入り込みます。二、三週間ほどで元の皮膚に近い状態になります。

人工皮膚の課題は、張り付けた部分から発汗や発毛がほとんどなく、感触も劣ることです。頭髪など目立つ部分は、残った髪を移植する場合もありますが、広範囲ではかつらが必要になります。黒ずむ場合もあり、見た目に分からないほどまでに、回復するのは難しいです。


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