-「乳がん内視鏡手術」による乳房の温存-


「乳がん内視鏡手術」による乳房の温存

乳がんの手術

乳がんの手術には、がんを乳房ごと切除する全摘出手術と、がんとその周囲だけを切除する温存手術があります。早期の乳がんでは、温存手術を放射線治療と組み合わせれば、全摘出手術と比べても生存率に差がなく、国内でも普及しています。

温存手術には、しこりだけをくり抜く方法や、しこりとその周辺を円状または扇状に切除する、といった方法があります。乳房は残せるが、乳房の表面にメスを入れた傷跡がつく上、傷を縫い合わせる時に、表面の皮膚を引っ張ることで、変形してしまうこともあります。


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乳がん内視鏡手術

内視鏡を使った手術は、通常の手術と比べて傷が小さく、傷がついたとしても目立たない場所を選んで、メスを入れることができるのが特徴です。美容の面から1995年に日本で始まりました。

まず、わきの下や乳房のすぐ外側か下、乳輪などのうち1、2か所を選んで小さい穴を開け、内視鏡(小型カメラ)や手術器具を入れます。モニターで乳房内の拡大画像を見ながら器具を操作し、がんができた乳腺組織を脂肪組織と大胸筋から引きはがし、電気メスでがんとその周囲を取り切ります。乳房に残った可能性のある微細ながんを根絶するため、手術後には放射線を照射します。

日本内視鏡外科学会の調査によりますと、2003年末までの時点で、この治療は63の施設で実施されています。問題点は、従来の温存手術と比べて治療効果が劣らないか、とういう点です。まとまったデーターはありませんが、これまでに約300件の手術を行った、駿河台日大病院によりますと「手術から5年後の生存率は従来の手術と変わらない」と言っています。

がんの大きさに比べて乳房が小ぶりですと、内視鏡を使った手術でも乳房の変形が大きくなる場合があります。そこで、温存が可能な早期がんに限り、乳房全体としこりの大きさのバランスを見極めて、実施する施設が多いです。

駿河台日大病院では

・がんの大きさが3センチ以下であること。

・切除範囲が乳房全体の3割を超えないこと。

などの条件を設けています。

温存手術と聞くと、乳房の傷跡や変形も残らないと、誤解している人も少なくありません。医師から「温存が可能」と言われたら、医師に予想される傷跡や変形の程度を尋ね、内視鏡を使う手術が可能か聞いてください。内視鏡を使った手術は、保険が適用されます。

亀田メディカルセンターでは、乳房の全摘出手術にも内視鏡を使います。内視鏡を使った場合、乳房に傷がつかないだけでなく、表面の皮膚がのこせるため、後に乳房を再建する時に、より美しくできるそうです。


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関係医療機関

駿河台日大病院

亀田メディカルセンター


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